1. はじめに:セミナー参加のきっかけ
紅茶、緑茶、ウーロン茶、実は同じ「チャノキ」から作られているのをご存知ですか?お茶の葉を摘んだあとの製造工程の違いによりいろいろなお茶が出来上がるのです。お茶といえば「紅茶」な私ですが、やはり「紅茶以外のお茶も学びたい」と思うように。
イベントサイトPeatix(ピーティックス)で目に留まったのが『番茶』をテーマにしたセミナー。
番茶と聞くと、地味なイメージがあるかもしれませんが、今回のイベントでは5つの異なる産地の番茶が紹介されるという内容で、その奥深さを学べる絶好の機会だと感じ参加してきました!
2. 日本茶セミナー 1899ティーカレッジとは
今回体験したセミナーの主催は、『1899ティーカレッジ』です。
『1899ティーカレッジ』は、季節にあったお茶の美味しい淹れ方を日本茶や茶器を触れながらワークショップ形式で日本茶を学べる場です。毎回、オリジナルのテーマが企画され、日本茶インストラクターの講師から学ぶことができます。1回完結型で、初心者の方もリピーターの方も、気軽に参加できるのがポイントですよね。
今回の会場は、東京・新橋にあるお茶をテーマにした「ホテル1899東京」の1階にある「CHAYA 1899 TOKYO」でした。
平日夜の開催だったので、仕事帰りに参加することができました。参加者は、友人同士の参加、おひとりでの参加も多く同じ興味を持った仲間という親近感がありました。
4. 試飲した5つの番茶の魅力
日本各地から厳選された5種類の番茶が用意され、製法や歴史、地域ごとの特徴について詳しく学べる内容でした。
講師は、日本茶インストラクターの竹内ひさ代さんと坂上克仁さんです。
竹内講師よりお茶全般、番茶の歴史を話してくださいました。1899ティーカレッジの運営スタッフで各店舗の飲料やメニュー開発にも携わっている坂上講師は、実際に番茶作りの現場に行かれたそうです。そのときの体談を通して各地の番茶についてお話してくださいました。
オリジナルのテキストに沿って番茶について学びが進められます。
地域により「番茶」の定義が異なり、東北だと「ほうじ茶」、東京だと「新茶以外(の緑色のお茶)」のことをいうのだとか。「日常的に飲まれてきた身近なお茶」ということは共通で言えそうです。
今回、全国から集められた「番茶」は、こちらの5種類で関西~九州で作られたものが多かったです。
①宮崎県「熟成三年番茶」
②岡山県「美作番茶」(みまさかばんちゃ)
③奈良県「天日干し番茶」
④愛媛県「石鎚黒茶」(いしづちくろちゃ)
⑤高知県「碁石茶」(ごいしちゃ)
お皿に盛られた茶葉の量はすべて3gなんですよ。お茶1杯淹れるときに使う量です。紅茶と比較すると茶葉の量がとても多く見えます!!参加者からも驚きの声が上がっていました。
茶葉の色は茶色、緑っぽいものから赤っぽいものまで。茶葉の形や大きさは細かいものから大きなもの、そして見慣れないミルフィーユ状のものがありました。
春の新茶は、新芽でやわらかい葉から作られますが、番茶は真夏の暑い時期~秋に収穫するので硬い葉や枝を使うそうです。よく見てみると確かに「茎」が入っているのがわかります。ほうじ茶よりもカフェイン量が少ないそうですよ。
5種類の番茶を並べてみる水色の違いがよくわかります。
テキストで紹介された製造工程の写真を見ながら、番茶作り体験の詳しいお話を聞きながらの試飲です。
5つの地域で、茶葉を収穫する時期、収穫後の作り方は異なります。
製造工程は、想像以上にワイルド!!茶畑と言えば想像するのは、かまぼこ型の整った畝ですが、番茶は、野性味あふれる力強さを感じるお茶の木から収穫されていました。
お茶の栽培地に機械を入れるのが難しく、手作業で茶摘みをするところが多いようです。収穫した茶葉は、釜で炒ったり蒸した後、天日干しして乾燥させます。
その後の工程も地域により異なりますが、愛媛県の「石鎚黒茶」と高知県「碁石茶」は世界を見ても珍しい”2段発酵”されている珍しいお茶なんだそうです。1回目はカビ菌などによる発酵、2回目は乳酸菌による発酵を行っています。どのような味がするか気になりますよね。
①熟成三年番茶は熟成させていることでとてもまろやかで優しい味、②美作番茶はほんのり香ばしく甘みを感じました。③天日干し番茶は、とても飲みやすいのどごし、 ④石鎚黒茶は「これはお茶!?」と衝撃を受ける”すっぱい”お茶でした!参加者同士のどよめきが印象的でした。でも慣れるとクセになります。⑤碁石茶もちょっとマイルドなすっぱいお茶です。このすっぱさは乳酸菌からくるものなので整腸作用が期待できそうです。
5. 番茶スイーツ
番茶の試飲とともにお茶請けも楽しめました。季節のフルーツで柿とぶどう。そして美作番茶を使ったクレープでした。とても美味しかったです!お茶の水にあるグループ店「レストラン1899お茶の水」で、2024年9月1日~11月30日まで開催されていた「ほうじ茶・番茶フェア」にて限定で提供されていたメニューです。
東京・お茶の水にある「レストラン1899お茶の水」では、お茶をテーマにしたアフタヌーンティーも提供されています。
RESTAURANT 1899 OCHANOMIZUを見てみる
3. 「番茶」の現在地 ~日常茶から希少な高級茶へ~
番茶作りの工程を学ぶにつれて、1杯のお茶がとても尊く感じられました。
身近にあった番茶ですが昨今では生産者さんが大変少なくなっており、なかなか手に入らない貴重なお茶となっています。なんといっても製造工程の多くが手仕事、時間と手間がかかり、熟練の茶師のよる長年の経験で得られた感覚がとても大事なのだそう。
こうした技術を守ろうという動きもあり、”石鎚黒茶の製造技術”が、2023年に「国重要無形民俗文化財」に指定されています。伝統技術として未来に継承していきたいですね。
店内では1899厳選のお茶の販売がされていますが、今回のセミナーで登場した番茶は全国から取り寄せたもので店頭での販売はありません。
都内のアンテナショップや、茶農家さんのオンラインショップから購入ができるそうですよ。
番茶のパッケージと入手先。左から
⑤高知県『碁石茶』オンラインショップ
④愛媛県『石鎚黒茶』オンラインショップ
①宮崎県『熟成三年番茶』 オンラインショップ
③奈良県『天日干し番茶』オンラインショップ
②岡山県『美作番茶』オンラインショップ
6. 参加したセミナー
講座名 : 〈日本各地のお茶をご紹介〉5つの産地の番茶を楽しむ会!
主催者 : 1899ティーカレッジ
時間 : 18:45~19:45 (受付開始18:30)
料金 : 3,500円
毎月テーマを変えて、開催されています。ちなみに次回のセミナーは、2025年2月開催でテーマは「『3種の日本茶』と『5種のチョコレート』のペアリング体験会! 」となっています。詳細はこちら
開催場所: CHAYA 1899 TOKYO
住所 : 港区新橋6丁目4-1 HOTEL 1899 TOKYO 1F
アクセス: 都営地下鉄三田線「御成門駅」から徒歩6分、JR・東京メトロ「新橋駅」から徒歩10分など
公式HP : https://1899.jp/hotels/tokyo/chaya-1899-tokyo/
7. Peatix(ピーティックス)で新しい趣味を発見しよう!
今回参加したセミナーを見つけたのがこちらのイベントサイトPeatix(ピーティックス)
「イベントを探す」から興味のある「カテゴリー」を選んだり、気になる「キーワード」で検索してイベントを探すことができます。
常時2万以上掲載されているイベントから自分の”好き”を深めたり、新しい趣味を発見してみてください。
8. まとめ:番茶の奥深さと魅力
あっという間の1時間のセミナーでした。講師の竹内さん、坂上さんのお話は初めて知ることばかりでとても興味深く、改めてお茶の世界は深いなぁと感じました。「番茶」といってもこんなに個性豊かなものが地方に根付いており、今でも作り続けられていること、そしてその伝統を守っていくことの大変さも知ることができました。
本記事は2024年11月時点の情報です。
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